Trailer
染谷将太、戸田恵梨香、窪塚洋介、斉藤由貴、永瀬正敏
日本映画界の実力派が夢の競演!
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構想7年の渾身の脚本には、豪華キャスト陣が結集し、見事なアンサンブルを奏でる。主人公・麟太郎役はヴェネチア国際映画祭で日本人初となるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した『ヒミズ』(11)を始め、幅広い作品で多彩な顔を演じ分ける実力派・染谷将太。仕事に悩み、家族への持て余した感情を抱きながらも、抑えた表情で演じた。 その姉・美也子役には2019年後期NHK連続テレビ小説「スカーレット」でヒロインを務める戸田恵梨香。ある事件をきっかけに、家族の元を離れ、15年ぶりに姿を見せる兄シュン役にはマーティン・スコセッシ監督の『Silence-沈黙-』(17)の窪塚洋介。さらに円熟味を増したベテラン斉藤由貴、日本映画界を代表する名優・永瀬正敏が、両親役で圧倒的な存在感を見せる。また、新海誠監督の最新アニメ『天気の子』のヒロインの声に抜擢された森七菜や白石晃士監督最新作『地獄少女』(11月15日公開)でメインキャストに抜擢された楽駆を始めとする、若手の瑞々しい演技も注目だ。
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監督と脚本を手掛けるのは、サザンオールスターズのドキュメンタリー映画をはじめとし、コマーシャル、ミュージックビデオなど様々な分野で高く評価される常盤司郎監督。短編映画でも国際的な評価を受けてきた。本作が満を持しての長編映画デビュー作となる。
この才能を後押ししようと、『HANA-BI』(98)の撮影・山本英夫らベテラン映画陣がバックアップ。常盤監督のキャストの内面を引き出す粘り強い演出、小津安二郎監督作品を思わせるロー・アングルの構築美。さらには、もう一度“家族になる瞬間”を、通夜から葬式にかけて、たった1日で物語を紡いた構成力には、新たな才能の登場を感じずにはいられない。
古くは伊丹十三監督の『お葬式』(84)から、『死ぬまでにしたい10のこと』(03)『エンディングノート』(11)『おみおくりの作法』(13)など終活、生き方への注目が集まる中、新たな〈おみおくりの物語〉が誕生した。
独立して2年目となるカメラマン、東麟太郎(染谷将太)は、姉の美也子(戸田恵梨香)とともに薄暗い病院の食堂で、麺がのびきったラーメンを食べている。
「親父が死んだ……。65歳になる直前の、夏至の日の明け方だった」
久しぶりに故郷に帰ってきた麟太郎は病室で亡き父・日登志(永瀬正敏)と対面し、葬儀の準備をしながら、ありし日の家族を思い出す。
通夜の準備が進む実家の縁側で、麟太郎がつまらなそうにタバコを吸っていると、居間では、ちょっとした騒動が起きていた。通夜ぶるまいの弁当を、母・アキコ(斉藤由貴)が勝手にキャンセルしていたのだ。なにもないテーブルを見つめて戸惑う親戚たち。母は自分で作るという。それが父の遺言だ、と。やがて最初の料理が運ばれてくると、通夜の席はまた、ざわつき出した。母が盆で運んできた料理は目玉焼きだった。
戸惑いながらも、箸をつける麟太郎。目玉焼きの裏面を摘む。ハムにしてはやけに薄く、カリカリしている。
「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」
登山家だった父・日登志と母・アキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎(外川燎)が7歳、美也子(森七菜)が11歳の夏だった。
新しく母となったアキコには、17歳になるシュン(楽駆)という男の子がいた。
5人はギクシャクしながらも、何気ない日常を積み重ね、気持ちを少しずつ手繰り寄せ、お互いにちょっとだけ妥協し、家族として、暮らしはじめていた。
それは平凡だけど、穏やかな日々だった。
しかし、1本の電話が、まるで1滴の染みが広がるように、この家族を変えていく…… 。
そして兄のシュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に突然、家を出て行った。
父も母もなぜか、止めようとはしない。以来、家族5人が揃うことはなかった。
次々と出される母の手料理を食べるたび、家族として暮らした5年間の思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえる。
それは、はじめて家族として食卓を囲んだ記憶だった。
兄弟で焼いた焼き芋、父と兄が山で食べたピザ、姉の喉に刺さった焼き魚の小骨。あのとき、家族になれたはずだった。
あの日、父と兄になにがあったのか? 死の寸前、父はなにを思ったのか?
姉が抱えている小さなキズとは? 母が長年隠し続けてきたこととは?
家族として過ごした5年間という時間。それは、短かったのか?長かったのか?
父の死をきっかけに、止まっていた家族の時がゆっくりと動き出す。
そして通夜ぶるまいも終盤に差しかかったその時、兄のシュン(窪塚洋介)が15年ぶりに帰ってきた……。
- 監督・脚本・編集
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染谷君の演技は、想像を超えてくることが多く、とても感心させられます。また「編集で困らないように撮ってほしい。それが作品のためになるから」と言い、気がすむまで何度も演じてくれて、ある意味、戦友のような感覚です。
斉藤さんは本読みで第一声を発した瞬間に、『最初の晩餐』の世界が分かったというか、アキコと他の登場人物のリアクションが全て見えました。声というのは映画において大切な説得力を持っていて、その象徴がアキコでした。この役は繊細で複雑です。だから斉藤さんとは一番現場で話し合ったと思います。
永瀬さんは日本映画界をずっと支え、ジャームッシュ監督をはじめ、海外の作品にも多く参加されている、日本を代表する映画俳優です。僕の脚本を心から信じてくれていると感じました。徹底した役作りをし、20年の歳月を見事に演じていただき、現場でもとても大切なことを教えてもらいました。
窪塚さん演じるシュンは、ある種のオーラのようなものが確実に必要となってくる役ですが、窪塚さんにはそれが備わっていました。独特なエネルギーと、ものすごい熱量で、この映画に挑んでくれました。彼とは感覚的な部分がとても似ていて、思い描いている情景が重なる瞬間を、何度も経験しました。
7年前、わずか3人で「本当に作りたいものを作ろう」とスタートしたこの企画でしたが、最終的にこれだけのスタッフ、キャストが初の長編映画に集まってくれました。それはある意味、ものすごく贅沢な自主映画を作ったような感覚です。
- 企画・プロデューサー
- 杉山麻衣
- プロデューサー
- 森谷雄
- プロデューサー
- 鈴木剛
- 共同企画
- 中川美音子
- 音楽
- 山下宏明
- 撮影
- 山本英夫
- 美術
- 清水剛
- 衣裳
- 宮本茉莉
- フードコーディネーター
- 赤堀博美
- 整音
- 横田智昭
- 照明
- 小野晃
- 録音
- 小宮元
- ヘアメイク
- 橋本申二
- 山岳コーディネーター
- 大森義昭
- 音楽プロデューサー
- 鮫島充
Credit
東 麟太郎 | 染谷 将太 |
北島(東) 美也子 | 戸田恵梨香 |
東 シュン | 窪塚洋介 |
東 アキコ | 斉藤由貴 |
東 日登志 | 永瀬正敏 |
東 美也子(少女時代) | 森七菜 |
東 シュン(青年時代) | 楽駆 |
東 麟太郎(少年時代) | 牧純矢 |
東 麟太郎(少年時代) | 外川燎 |
東 盛一 | 池田成志 |
木村 善男 | 菅原大吉 |
北島 康介 | カトウシンスケ |
小畑 理恵 | 玄理 |
井住 | 山本浩司 |
小野寺法正(坊主) | 小野塚勇人 |
拓二 | 奥野瑛太 |
床屋のおじさん | 諏訪太朗 |
三岡(声のみ) | 平原 テツ |
木村 信子 | 渡辺 杉枝 |
木村 健男 | 西原 誠吾 |
木村 仁美 | 美智 |
東 ナオト | 大迫 芽生 |
北島 美姫 | 堰沢 結愛 |
北島 大輔 | 潤 浩 |
葵 | 塩沢 結由 |
医師 | 岩谷 健司 |
アキコの元夫 | 山本 修夢 |
食堂の店員 | 真下 有紀 |
杏子 | 東野 瑞希 |
小学校の先生 | 大辻 賢吾 |
台風中継のアナウンサー(声のみ) | 千広 真弓 |
監督・脚本・編集 | 常盤 司郎 |
企画・プロデューサー | 杉山 麻衣 |
プロデューサー | 森谷 雄 |
鈴木 剛 | |
共同企画 | 中川 美音子 |
撮影 | 山本 英夫 |
照明 | 小野 晃 |
美術 | 清水 剛 |
装飾 | 澤下 和好 |
録音 | 小宮 元 |
整音 | 横田 智昭 |
衣裳 | 宮本 茉莉 |
ヘアメイク | 橋本 申二 |
小道具 | 尹 恵嫄 |
フードコーディネーター | 赤堀 博美 |
VFX | 本田 貴雄 |
助監督 | 丸谷 ちひろ |
制作担当 | 金子 堅太郎 |
山岳コーディネーター | 大森 義昭 |
音楽 | 山下 宏明 |
音楽プロデューサー | 鮫島 充 |
協力 | 信州上田フィルムコミッション/上田市/上田市のみなさん |
製作 | 『最初の晩餐』製作委員会 |
製作プロダクション | アットムービー |
宣伝 | ミラクルヴォイス |
配給 | KADOKAWA |
©2019『最初の晩餐』製作委員会